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オーストラリアの幼児教育が注目されている理由
英語教育やプログラミングに体験型学習など、子供たちの学びの枠組みはここ数年で顕著に変化してきています。
AIの発達や価値観の変化により、社会が大きく変わっていくことが予測される現代。
新しい時代に、新しい価値を生み出すために、これからを生きる子供たちには、より一層の創造力が求められるようになっていくことは間違いありません。
そんな中オーストラリアでは、政府審議会が中心となって、幼い子どもたちの可能性を最大限に伸ばし、その後の学習を成功へと導くため、2009年にEarly Years Learning Framework (EYLF)という新たな幼児教育に関する枠組みを制定し、実行しています。
そして、その枠組みの中で3つの重要な要素として、「BELONGING, BEING & BECOMING -帰属、存在、生成」という概念を掲げており、”遊び”をベースにした学習に特に重きを置き、コミュニケーションや言語(早期読み書き・計算教育を含む)、社会的・感情的発達の重要性を推奨しています。
子供たちは、”遊び”を通じて下記のような様々な学びを得ることを、幼児教育の現場にいる教育者たちも理解をして、日々彼らと接しています。
遊びとは、
• 個性や独自性を表現することを可能にする
• 好奇心、創造性などの気質を育む
• 子どもたちがこれまでの経験と新たな学びを結びつけられるようになる
• 子どもたちが関係や概念を育む助けとなる
• 心身の健全性を刺激する
〜引用:「BELONGING, BEING & BECOMING -帰属、存在、生成- オーストラリアの幼児教育学習枠組み」〜
このようにオーストラリアでは、これからの時代に必要とされる創造力や表現力などを養うために最適な教育が幼児年代からなされているのです。
それでは、実際にオーストラリアの幼稚園では、どのような1日を子供たちは過ごしているのでしょうか?
幼稚園での1日の流れ(Southport Child Care Centreの場合)
ここでは、グローバルスカイ・エデュケーション・グループが運営するSouthport Child Care CentreのPre-Prepクラス(対象:4-5歳)の例をご紹介していきたいと思います。
6:30 - 9:00 登 園
1日の始まり。
子供たちは、朝から元気に室内及び室外のプレイエリアで自由に過ごします。
9:00 - 9:30 読み書き・計算
手を洗って室内へ移動。
この時間は、ジョリーフォニックスによる読み書きや基礎的な計算能力向上のためのプログラムを実践します。
ジョリーフォニックスとは、世界中で採用されている幼児教育のためのプログラムのひとつです。
まさに、”遊び”を通じて楽しみながら文字と音について学び、読み書き能力の発達を図ることができます。
学校に通い始める前の子どもたちが、英語で自分の名前を書けるように練習をします。
9:30 - 10:00 モーニングティー
オーストラリアでは、ランチとは別に午前中にフルーツなどの軽食をとるモーニングティーという時間があります。
10:00 - 10:30 お片づけ&連絡ごと
みんなで部屋のお片づけを済ませてから、連絡ごとを伝える時間です。
10:30 - 11:30 インドア・アクティビティ
室内でのアクティビティの時間です。
歌を歌いながら、言葉や色に合わせて身体全体を使ったダンスをしたり、日本語レッスンやヨガ、その他にもITテクノロジーを用いて楽しく学べるたくさんのカリキュラムが用意されています。
また、各テーブルにはHome CornerやDress Up、Lego、Cars、Playdough (小麦粉粘土)などの様々なアクティビティがセッティングされており、子供たちは好きなものを選んで自由に遊べるようになっています。
11:30 - 12:00 ランチタイム
Southport Child Care Centreでは、施設内にあるキッチンで専属のシェフがランチを提供しています。
わざわざご家庭でランチを用意しなくても、子供たちの健康や栄養バランスに配慮した食事がとれるので大変好評です!
12:00 - 14:00 お昼寝・静かに遊ぶ時間
ランチ後のお昼寝の時間です。
無理に寝かせることはせず、遊び足りない子供たちはiPadを使って遊んだり、ムービーを見たりして、室内で静かに遊ぶように促します。
14:00 - 14:30 アフターヌーンティー
午後にも、アフターヌーンティーの時間があります。
14:30 - 17:15 アウトドア・アクティビティ
広いガーデンを持つSouthport Child Care Centreでは、子どもたちが自ら植物や作物などを育てる体験も行っており、Sustainabilityを意識した取り組みがされています。
その他にも、Messy Play、Water Play、Mud Cafe、Sandpit、Watering gardenなどの遊びが子供たちには人気がです。
また、有料オプションとして、サッカーやダンスなどのアクティビティにもご参加頂けます。
17:15 - 17:30 軽 食
たくさん遊んで、たくさん学んだ子供たちは、やはりお腹も空きますよね!
17:30 - 18:00 降 園
ママやパパがお迎えに来るまで、室内で過ごします。
子どもへの先生の接し方に関する日本との違い
実際にHelloKidsへ参加してオーストラリアと日本、両方の保育を体験されたお客様から伺うご感想として、
「日本よりも自由にチャレンジさせてくれる」
「絵を描くことひとつ取っても、子どもの自由にさせてくれて、型にはめようとしない」
「”できるよ!”と、先生が子供を一所懸命応援してくれる」
「いつも適度な距離で目を見張っていて、してはいけないこと、危ない場面などではしっかりと注意してくれる」
このようなお声を頂くことが多いです。
尚、ご紹介した4-5歳児が対象のPre-Prepクラスでは、一人の先生に対して子供は最大11人まで(クイーンズランド州の場合)と、オーストラリア政府が定めるNational Quality Standardによって、先生の配置基準が明確に決められています。
これにより、クラスの全ての子どもたちに目が行き届く環境が法律で整備されており、子供の個性や好奇心を育むためのサポート体制がしっかりと担保されているのです。
また、何事も全員で無理やり一緒に行うのではなく、子供自身が興味を持つことを尊重し、自由に遊ばせる仕組みになっています。
例えばダンスの時間には、全員で同じ踊りをするのではなく、子ども自身が動きたいように自由に動くことを大切にしています。
ですが、日本から来た子供たちはそんな環境に慣れていないせいか、始めは戸惑ってしまうこともしばしば…。
とはいえ、そこはさすが子供たち。
自由にしていいのだと一度わかると、弾けるように、思い切り楽しそうに遊ぶようになります。
そして、周りの大人が子供たちへ必要以上に手を差し伸べ過ぎないことも大事にされています。
何かがうまく出来ない時に、困ってただ泣き続けてしまうのではなくて、自分から助けてほしいと言える。
お友だちにいじめられて、ただ先生に言いつけに来るのではなくて、自分で相手にやめてほしいと言える。
子供たちがそんな強い気持ちを持てるように、先生たちは気を配りながらそばで見守っているのです。
いかがでしたでしょうか?
今回は、オーストラリアの幼児教育と幼稚園での一日の流れについてご紹介致しました。
ご質問やご相談は、お気軽にどうぞ。