「子供の時から英語を学んでいれば良かった…。」
そうお感じになったことがある方は少なくないようです。
ネイティブと遜色のない、自然なコミュニケーションができるようになるには、幼少期からいわゆる”英語脳”を鍛えておくことが大切です。
近年の脳科学研究によれば、第一言語と第二言語を使用する際には、脳の異なる領域が活動することが明らかになっています。
また、一般的に言語学習には”臨界期”(人間の発達段階において、学習効果が最もよく現れる時期のこと)というものがあると言われています。
これらのことからも、大人になってからよりも子供のうちから”英語脳”を鍛えておくことが効果的であることがお分かりいただけます。
では英語脳を形成するためには、何歳から”英語脳”を鍛えれば良いのでしょうか。
これに関しては様々な研究や論文が発表されており見解も様々ですが、一般的にはやはり幼少期から英語に触れることが有効とされています。
ここで言う”英語脳”とは、英語を英語のままインプット・アウトプットができるようになる脳の働きのことです。
英単語や文法などを単純に学ぶだけでは、なかなかネイティブやバイリンガルのように英語を流暢に使えるようにはなりません。
英語を日本語に変換することなく、英語を英語のまま無意識に認識し、扱えるようになるには適切なトレーニングを行うことが重要なのです。
そもそも日本語と英語では、ベースとなる母音の数が大きく違います。
日本語は”ア・イ・ウ・エ・オ”の5つのみなのに対して、英語には24もの母音が存在します。
-文字と音の関係性を学べるフォニックス学習法-
また、英語の音は1,800~12,000 hz(ヘルツ)、日本語の音は125~1,400 hz (ヘルツ)程度であり、共そもそも認識される音として全く別物であることがわかります。
加えて、英語の発音には”リエゾン”と言われる、”音と音が重なって発音が変化する”ことが、日本人が英語を聞き取ることをより一層困難なものにしているのです。
自分自身でうまく発音ができない音は、耳から正しく聞き取ることができません。
これは脳の認知機能がうまく働いていないからです。
つまり”英語脳を鍛える”には、”文字よりも、音を学ぶ”ことにフォーカスする必要があるのです。
そして正しい発音を身に付けることで、英語のヒアリングスキルを同時に開発することができるのです。
この動画では、言語の切り替えに必要な努力と注意が、脳を活性化するきっかけとなると述べられています。
また、バイリンガルの脳は実行力や問題解決、タスクの切り替え、そして不要な情報を取り除き集中力を高めるために大きな役割を担っている背外側前頭前皮質が強化されていることにも触れています。
では、効果的に子供の”英語脳を鍛える”には、どのようにすれば良いのでしょうか?
英会話レッスンに参加をさせたり、英語のアニメを見るなど、方法は多岐に渡ります。
また、リピーティングやシャドーイングなど、英語の音を身につけるための学習方法も様々ですが、近年注目を集めている英語の学習方法に「CLIL(クリル)」というものがあります。
CLILとはContent and Language Integrated Learningの略称で、”英語を学ぶ”のではなく、”英語で学ぶ”というアプローチをとることが特徴です。
子供たちは教師や親にやらされることよりも、自らの好奇心に従って自発的に行動を起こすことから様々なことを学習し、新しい事柄を吸収します。
ここで我々親が子供たちに対して行うべきことは、彼らがどんなことに興味や関心を抱いているのかを見極め、それらを英語学習に掛け合わせて、楽しく能動的に学びたくなるような環境を整えてあげることです。
英語学習それ自体を目的化せずに、手段として英語学習を活用する方が、特に子供たちにとっては学習を続けるモチベーションの維持にもつながるのです。
また、英語学習には”身体性を伴うコミュニケーション”が重要であることも最近の脳研究により明らかになってきています。
一方通行的に動画を視聴したり、英語のCDを聞いたりするのではなく、親や英語の先生など、実際に人間同士が相互にコミュニケーションを行う方が、英語の学習には効果的であると言われています。
さて、今回は「バイリンガルになるためには、”英語脳”を鍛える」というテーマでお伝えをしてきました。
英語学習には様々な方法や考え方、アプローチがありますが、大切なのは子供たち自身の好奇心に目を向け、それをサポートする保護者の存在と子供が幼少期からたくさん英語に触れられるような環境づくりなのです。(HelloKids事務局)