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2032年、クィーンズランド州の州都ブリスベンにて夏季オリンピックが開催されます。世界的なイベントであるこのオリンピックの開催に、オーストラリアと世界の人々は一体どんな期待を寄せているのでしょうか?
ブリスベンにおける2032年オリンピック・パラリンピック招致は、2015年に市長会議(SEQ)が長期的なインフラ計画の一環として招致の可能性を調査することに合意したことから始まりました。
その後、実際に招致活動が活発化したのは、国際オリンピック委員会(IOC)がブリスベンを「優先開催地」として認めた2021年2月のことでした。そして6月、IOCは、ブリスベンを2032年大会の優先候補地として正式に推薦をしたのです。
オーストラリアがいくつものライバル国を抑えて成功を収めたのは、ちょうど今年の東京オリンピックが始まったばかりの7月21日のこと。トーマス・バッハIOC会長は、現地時間の午後6時30分頃、“第5回オリンピック競技大会はオーストラリアのブリスベンに決定した “と世界に向けて発表しました。
クィーンズランド州のアナスタシア・パラシェ首相は、この決定を歓迎し、次のように述べています。「我々クィーンズランド州はスポーツを愛する州であり、これにより新たな黄金時代が到来することになります。今夜は、クイーンズランド州のすべての人にとっての勝利です。」
在ブリスベン日本国総領事の田中一成氏も、IOC の発表を歓迎し、次のようにツイートしています。「おめでとうございます。2032 年は、クィーンズランド州の素晴らしさを世界に示すことになるでしょう。」
2032年7月23日から8月8日まで開催される世界最大のマルチスポーツイベント、ブリスベン・オリンピック。オーストラリアはこの世界的なイベントの成功に向けて、既に動き始めています。
オーストラリアのオリンピックの歴史
オーストラリアでオリンピックが開催されるのは、2032年のブリスベンが初めてではありません。1956年にビクトリア州の州都メルボルンで開催された後、44年後の2000年にはシドニーに再びオリンピックがやってきました。
オーストラリアは両大会ともメダル獲得数で3位、4位と大成功を収め、シドニー大会ではIOC会長をはじめ多くの評論家から「史上最高の大会」と評されました。
また、オーストラリアは、近代オリンピックのすべての大会に選手を派遣した2つの国のうちの1つであり、国民のスポーツへの関心の高さを示しています。
またブリスベンは、過去に46カ国から1,500人以上のアスリートが参加した1982年のCommonwealth Gamesなど、大きな国際イベントを開催した経験もあります。
ブリスベン 2032
ブリスベンでは、大会開催による経済効果を期待しており、観光・貿易面で46億ドル、健康、ボランティア、地域社会などの社会面で35億ドルの効果が見込まれています。
ブリスベン市議会は、ブリスベン・メトロの交通網、ブリスベン・リバーに架かるグリーン・ブリッジ、ビクトリア・パークの改造など、大会に向けて市内のインフラを強化するための多くのプロジェクトがすでに進行中であることを発表しました。
クィーンズランド州の州都には、オリンピックの32の競技会場のうち18の会場が設置されるほか、国際放送センター、メインプレスセンター、オリンピック・パラリンピック選手村などの主要な施設も設置されます。
今回のオリンピックは平均気温が9〜20度のブリスベンの冬に開催されるため、競技を行う上でも非常に適した環境と言えます。また、ブリスベンは年間300日以上の日照時間を誇り、もともと屋外でのアクティビティには最適な気候であることもよく知られています。
スポーツ以外にも見どころ満載の街、ブリスベン
オーストラリア第3の都市であるこの街は、テーマパークやビーチのあるゴールドコーストから北へ車で1時間、大自然に囲まれたサンシャインコーストから南へ約90分のところにあります。
またブリスベンは、多様な文化を持つ人々に支えられ、フードシーンも活気に満ちています。現在、都市部のリバーフロントや市内の人気スポットには、数多くのレストランやカフェが広がっています。
オーストラリアで最も多くの人が訪れるアートギャラリー「QAGOMA」や、州内でも有数のパフォーミングアートスペース「QPAC」があるサウスバンク地区は、アート好きにはたまらない活気に満ちたカルチャーシーンが有名です。
ブリスベン経済開発庁(EDA)は、「オリンピック期間中に世界中からブリスベンを訪れる観光客は、心から歓迎されるでしょう」と語っています。
「都心で体験できるカルチャー、アボリジニ・トレス海峡諸島民の芸術・文化体験、ビーチや山間でのアクティビティなど、観光の魅力は数え切れないほどあり、これらはすべて、ブリスベン地域全体での観光客需要を拡大することでしょう。」
また、W Brisbane、Crystalbrook Vincent、The Calile Hotel、Emporium South Bankなどの新しい高級ホテルが開発され、「5,000室以上の新しい客室と会議・イベント用施設が提供される 」予定になっています。
ブリスベンは日本との時差も1時間のみで、成田空港から直行便を利用すれば約9時間で訪れることができるのも、日本人観光客にとっては魅力の一つかもしれません。
またEDAは、「ブリスベンは、国際会議、コンベンション、ビジネスイベント、スポーツ大会などの開催において、オーストラリアで最も注目される都市です。オリンピック都市として世界の舞台に立つブリスベンは、世界水準の会議施設、国際水準のスポーツスタジアム、無数のホテル、亜熱帯のライフスタイル、多様なツーリスト向けの体験アクティビティを誇り、ヒンターランドの山々から美しいビーチまで、恵まれた自然景観に囲まれています」と述べています。
いかがでしたでしょうか?オーストラリア第3の都市、ブリスベンにご興味をお持ち頂けたでしょうか?お子様との親子留学と共に、ぜひ現地でしか味わえないたくさんの体験をして頂きたいと思います。(HelloKids事務局)