オーストラリアの伝統と習慣に触れる

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考えてみれば、日本にはお盆や七五三の風習など、ユニークな習慣や伝統がたくさんありますよね。ここオーストラリアにも、日本やその他の国から訪れる方にとってはきっと興味深い、独自の祝日や行事がたくさんあるのです。

New Year’s Day – January 1

オーストラリアでも元旦は祝日となります。大晦日(12月31日)のパーティーの翌日には、友人や家族が集い、お祝いをする習慣があります。

オーストラリアでは大晦日に花火やその他のフェスティバルなども盛んです。一方で元旦は、一般的にはややリラックスした過ごし方をする方が多く、家族でビーチに出かけたり、バーベキューやスポーツをみんなで楽しんだりするのがポピュラーです。日本のお正月とは少し趣きが異なりますね。

また、オーストラリアでは通常、企業に勤める会社員は毎年4週間の有給休暇を取得することができます。一般的なクリスマス休暇期間は12月25日から1月第1週の終わりまでですが、その前後に有給を取得して長期の休暇を満喫する方も少なくないようです。

Australia Day – January 26

オーストラリアの公式な建国記念日であるAustralia Dayは、1788年にイギリス第一艦隊がSydney Coveに上陸し、イギリス国旗が掲揚されたことを記念するものです。

しかし近年、この日はイギリス人入植者がオーストラリアの先住民に与えた影響に対して異議を唱える活動家たちの間で物議を醸しています。議論の争点は1月26日という日付と、こうした植民地主義的なルーツから脱却を図るべきだとする点です。

元旦と同様に、オーストラリア人はこの日を家族や友人と祝う習慣があります。Australia Dayには優れた功績や貢献をしたオーストラリア国民を称えるAustralia Day Honours Awardsなども開催されています。

ANZAC Day – April 25

ANZAC Dayは、戦争で失われたオーストラリア国民を称える日です。ANZAC Dayは、第一次世界大戦中の1915年4月25日、トルコのガリポリ半島を攻撃したオーストラリア・ニュージーランド陸軍部隊の行動を記念して1916年に始まりました。

特筆すべきは、日本の戦艦「伊吹」が1914年に西オーストラリアのアルバニーから出航した艦隊の一員であり、ヨーロッパで戦うために派遣されたオーストラリア兵を保護したことである。

ガリポリ作戦は軍事的には失敗に終わったが、毎年4月25日の祝日にはオーストラリア全土で追悼式典が行われている。

Easter

キリスト教のEasterは、イエス・キリストの死と復活を祝う祭事で、オーストラリアではChristmasと並ぶ2大イベントの1つです。

オーストラリアではGood Fridayと復活祭のEaster Mondayにあてて祝日が設けられ、4日間の連休となります。Easterの日程は、春分の日の後の満月の日にちによって異なりますが、4月に行われることが多いようです。

オーストラリアの子どもたちは、この日を毎年楽しみにしています。なぜなら、伝統的にこの日はチョコレートのイースター・エッグをプレゼントされ、甘いホット・クロス・パンなどを味わうことができるからです!主なイベントとしては、教会で過ごしたり、スポーツ観戦をしたり、家族で旅行したりするなどがありますが、人によってもやや異なるようです。

King’s Birthday holiday

オーストラリアの国家元首は、イギリスの君主であるCharles 3世です。イギリスと同様、毎年オーストラリア国民は国王の誕生日を祝日に祝いますが、その日付はオーストラリアの州によって異なります。

2023年は、ACT、New South Wales州、Northern Territory州、South Australia州、Tasmania州、Victoria州で6月12日が国王誕生日の祝日とされています。ただし、Queensland州では10月2日、Western Australia州では9月25日に祝われます。

実は国王の実際の誕生日は11月14日なのですが、これまでも英国では伝統的に5月か6月に祝賀行事が行われてきました。これは、”Trooping the Colour “としても知られるバースデー・パレードのために好天に恵まれる可能性が高かったからと言われています。

Christmas holidays

Christmasは、Easterに次いでオーストラリアで最も重要な祭事であり、イエス・キリストの誕生を祝うものです。しかし、オーストラリアのChristmasは、冬を象徴するようなヨーロッパの伝統行事と類似している一方、南半球では夏に行われるため、「サンタクロース」がそりに乗って登場するのではなくサーフボードに乗って登場するなど、地域性を反映した趣きとなっています。

子どもを持つ親たちはクリスマスツリーの下に置かれたクリスマス・プレゼントを子どもたちに渡し、海老や七面鳥、クリスマス・プディングなどの豪華な昼食を家族で楽しんだ後に、これらのプレゼントを開けることが恒例になっています。

続くBoxing Day(12月26日)も祝日となります。この日は、日常生活で困っている人にプレゼントを贈ることを目的としたイギリス由来の祝日が起源となっています。一方で、伝統的にこの日はVictoria州のMelbourneにある有名なMelbourne Cricket Groundで行われる、Boxing Day Cricketのテストマッチが始まる日でもあります。

また、Boxing DayはChristmas後に行われる恒例の値下げセールの初日でもあり、かなりの消費が見込まれることでも知られています。

Turning 18

オーストラリアのもう1つの伝統である18歳の誕生日は、飲酒・選挙投票権、兵役に就く権利など、オーストラリアにおける成人の始まりとされています。一般的にこの日は家族主催でプライベートなパーティーが開かれることが多いようです。

日本では2022年の法改正により18歳から一定の権利を享受できるようになりましたが、20歳で完全に成人する日本とは少し異なりますね。

オーストラリアにおけるその他の年齢に関する節目としては、50歳(正式にはmiddle ageの始まり)、または60歳(伝統的には定年退職の年齢)がある。しかし、オーストラリアの年金支給年齢は現在67歳であり、平均寿命は男性81.5歳、女性85.3歳となっているため、オーストラリア人はもはや60歳で永久に「引退」するわけではなく、時代は少しづつ変わってきていると言えます。(Hello Kids 事務局)